静岡市にあるこころとからだのクリニック『あおいクリニック』です。

医療法人社団 明光会 あおいクリニック 医療法人社団 明光会 あおいクリニック

2023.6.13 わたしのプレイリスト

 皆さん、音楽を聴くことがあるときはストレス解消、気待ちが癒されたり、モチベーションが上がったりさまざまな効果がありますね。

 私の歳がバレそうですが…今週のお題はプレイリストだそうです。
 二曲あって一つ目はcan't fight the moonlight 。これはコヨーテアグリというサクセスストーリーの映画の歌です。DVDも持っているくらい好き💗昔のフエームもサクセスストーリーでしたが、次に来た映画ですね。歌手のリアンライムスがアテレコで歌っています。落ち込みそうな時に聴いています。

 あとはm-floのmove on。その都度その都度聴いている曲です。そうだよね〜そうだよね〜って聴いています。
 この曲は🍎マークのストリーミングでしか探せず…😅
 愛がリスペクトされるところへI got to move on〜

 皆様も気持ちが落ち着く曲、どんな曲がありますか?

岡田 良子 医師

2023.6.5 発達障害(神経発達障害)のひとつADHDとは?

 以前に比べると、発達障害というものを多くの人がご存じかと思います。発達障害(神経発達障害)のひとつにADHDがあります。ADHDとはAttention Deficit Hyperactivity Disorderの略語で、日本語での診断名は「注意欠如・多動症(DSM-5)」となります。不注意や多動性、衝動性を特徴とする発達障害で、たとえば以下のようなあらわれが見られます。

(不注意)
 ・整理整頓が苦手
 ・うっかりミスが多い
 ・集中できない、すぐに気が散る
 ・気を付けていても忘れ物・失くし物が多い
 ・スケジュール管理が苦手で、計画的に物事を進められない
 ・複数のことを並行して行うことが難しい

(多動・衝動性)
 ・じっとしているのが苦手
 ・おしゃべり、声が大きい
 ・思いついたことを深く考えずに発言したり、行動に移したりする

 こういったことは、やることが多くて忙しいとき、疲れがたまっているとき、何か気がかりなことがあって精神的に余裕がないときなどでは誰にでも起こり得ることではあります。子供の頃(小学校入学前くらい)から症状が継続していること、それによって生活の様々な場面で問題や苦労があった、あるいは周りの人のサポートが必要だったということが確認できて初めてADHDと診断されます。

 ADHDの症状があると、周りと同じようにできない場面に直面することや周りから注意を受ける経験も多くなりやすいため自信を失いやすい傾向にあります。また、ADHD症状のために仕事や人間関係でトラブルが起こりやすくストレスも抱えやすいということもあり、ADHDがあるとうつ病や不安障害など他の精神疾患を併発してしまうことも多いとされていますから、当てはまることが多くてお困りの方は一度精神科の受診を検討されてみてはいかがでしょうか。

 ADHDは様々な要因で脳内の神経伝達物質の働きがうまくいっていないために生じているとされており、薬物療法が行われます。ただ、効果が感じられやすい部分とそうでない部分がありますし、副作用の問題もあるため、薬物療法以外の方法も並行して行っていくことが重要です。自分の特徴をよく理解し、それに合わせて必要なツールを使用する、習慣を変えていく、人間関係を円滑にするためのコミュニケーションスキルを身につけるといったことに取り組むことが望ましいと言えます。個人の努力では解決が難しいこともありますから、適宜周囲に相談し、理解とサポートを得られやすい関係性づくりも大切です。

寺田 治子 医師

2023.5.30 メンタル疾患としてよく知られているものはうつ病ではないでしょうか?

 メンタル疾患としてよく知られているものはうつ病ではないでしょうか。どんな人でも気分の落ち込むという経験があると思いますが、それが非常に強くなり、何週間にもわたって長引くような場合、うつ病の可能性があります。

 その症状は

 ・ゆううつ
 ・気力・興味がわかない
 ・以前は楽しかったことが楽しめない
 ・いらいらしやすくなる

といった気分の面の変化はもちろんですが、

 ・食欲低下
 ・不眠(寝つきが悪い、夜中に目が覚める、ぐっすり眠れない)
 ・体の様々な部分の不調、痛み

など身体面でも変化が見られます。また、

 ・ぼーっとして考えがまとまらない
 ・集中力や判断力が落ちる

など頭の働きが思うようにならなくなることもあり、仕事・家事・学業をそれまでと同じように行うことが困難となってしまうのです。

 うつ病は大きなストレスが生じた時に発症するものとイメージされることが多いのですが、遺伝、ホルモンバランスの変動、それまでの生活習慣、性格など様々な要因が関わっている病気なので、実は誰がどのようなタイミングで発症してもおかしくない精神疾患です。

 このような症状が2週間以上続くのであれば、「ただ疲れているだけ」と自分で何とかしようとせず、精神科や心療内科の受診を考えてみてください。

 うつ病はストレスなど様々な要因によって生じた脳内の神経伝達の機能異常から起こってくるものであり、脳内の神経伝達の機能を整えるために薬物療法を行います。

 また、薬物療法と同時に、休養の時間をきちんととること、生活リズムを乱さないこと、バランスよく食事をとること、無理のない範囲で体を動かすことが回復のために重要です。休養をきちんととり生活を整えることはうつ病の予防・再発防止のためにも重要な要素ですから、自身のメンタルヘルスを維持するためにぜひ心がけてみてください。

寺田 治子 医師

2023.5.17 5月の身体の異常は心のサインかも知れません

  5月になってお腹が痛いとか腸の調子悪くなったりされる方が多いです。

 普通の腹痛ですとか、下痢ベンピではなく、症状が続くようですと、ココロのサインかも知れません。

 5月は、4月に新学期や入社され、ゴールデンウィークを挟むので4月からのストレスが原因の場合もあります。

 お心当たりの方は、まず生活習慣を見直して、寝過ぎや寝不足にならぬように大体の時間で良いので、何時くらいに寝て7時間から8時間睡眠を質も良く取るようにしましょう。

 また栄養面も大切です。
 栄養成分のバランスが崩れたり、不足から、ストレスにつながることもあるようです。

 「ストレスに強くなる体作りも重要です。特に意識して摂りたい栄養成分は、『抗ストレスビタミン』とも呼ばれるビタミンC、自律神経を安定させる効果が期待できるビタミンB群、精神の安定に欠かせないセロトニンの原料になる必須アミノ酸のトリプトファンです。

 ビタミンCはブロッコリーやキウイ、パプリカなど、ビタミンB群は豚肉、うなぎ、枝豆など、トリプトファンは大豆製品などに多く含まれますので、こうした食材を積極的に摂るようにしましょう。

岡田 良子 医師

2023.5.14 五月病

 5月は寒過ぎず、暑過ぎず、過ごしやすい季節ですよね。

 2月、3月は、寒い冬から気候がどんどん変わり体がなかなかついていかずにきついなあと思われた方がいたのではないかと思います。それが5月頃になってくると、気温も安定してきて、且つまだジメジメする梅雨の季節には少し間があるということで、だいぶ体が楽になったなあと思われる方も多いのではないでしょうか。

 ところが、いわゆる五月病といわれる、この時期に体調不良となる方がいます。当院でも、五月に出現した体調不良により初めて受診するという方が結構います。

 どのような症状かというと、

 ・疲れが取れない
 ・頭痛がする
 ・仕事や家事が前のようにテキパキこなせない
 ・眠れなくなった
 ・食欲がわかない
 ・やる気が起きない
 ・気分が落ち込む
 ・何事にも興味がわかない
 ・不安や焦りがひどい

 このように、身体の不調から精神的なものまで、症状は様々です。

 では何故、この時期に出現するのでしょうか?

 五月病はクリニックを受診すると適応障害と診断されることが多いです。

 ちょうど4月から就職や異動、進学など、新たな生活がスタートする方は多いかと思います。3月から4月は生活が大きく変化しやすい時期で、その後しばらくは新しい生活に慣れないまま知らず知らずのうちにストレスを溜めてしまったり、気付かないうちに無理をしてしまうことが多くなりがちです。さらに、なかなかストレスの発散が出来なかったりすると、ストレスがたまる状態で1か月ほど過ごすことになり、体調が限界を超えてしまった状態が五月病です。

 ところで、どのような人が五月病になりやすいのでしょうか?

 ・この春に就職、異動、転勤、転職した
 ・職場の雰囲気や人間関係などが変わった
 ・新たな責任ある業務やプロジェクトを任された
 ・元々生活リズムが乱れていた
 ・冬から春にかけて繁忙期で長時間残業を行っていた

 このような方は、要注意です。

 4月以前から生活リズムが乱れていたり忙しい状態が続いていた方は、既にストレスが溜まっていたり、自律神経系統に負担がかかっている状態です。そこに更に4月からの環境変化のストレスがかかるとキャパシティオーバーとなってしまいやすいので注意が必要です。

 では、どうすれば五月病のような体調不良を予防できるのでしょうか?

 ・自分なりのストレス解消法を身に付ける
 ・完璧主義を目指さず「出来る範囲でいいや」と気を楽に持つ
 ・日頃から1人で悩みを抱えず、上司、同僚、家族など身近な人に相談するようにする
 ・気持ちを切り替えられる時間を作る
 ・運動を取り入れる
 ・睡眠をしっかりとり、しっかり食べるなど、生活リズムを崩さない

 新しい環境ではストレスはつきものです。そこでストレスと上手に付き合う方法を考えるようにしましょう。ストレス解消法としては、カラオケ、ランニング、とにかく寝る、愚痴を聞いてもらうなどいろいろなやり方があると思いますが、普段から、自分にあったストレス解消法を見つけておくといいと思います。

 それでも、体調不良となってしまうこともあります。様々な工夫をしてもなかなか良くならない場合は、精神科、心療内科の受診を考えてみてもいいかもしれません。体調不良が進み、気づかないうちにうつ病を発症しているということもあります。その場合はうつ病に対する専門的治療が必要になってきます。

 どうしても調子が良くないという場合は受診も検討してみて下さい。

寺田 治子 医師

2023.4.16 双極性障害①

 双極性障害とは、躁状態と鬱状態を繰り返す病気で、かつては躁鬱病と呼ばれていました。100人に1人程度の頻度で発症するとされ、男女差はなく、10代から30代までに発症します。

 うつ状態というのは皆さんご存じの通り、気分の落ち込みや興味関心の低下などの症状がみられるものですが、躁状態というのは気分が高ぶり、眠らなくても平気になる、自分が偉くなった気がする、次々とアイデアが出てくる、集中が難しくなる、お金を使いすぎるなどの問題行動が増えるといった症状がみられます。

 躁とうつを繰り返すのですが、常にどちらかの症状があるというわけではなく、症状がある時期とほとんどない時期が交互にみられるということも特徴です。

2017.1.7 第1回 社交不安症(SAD)を理解する
社交不安症(SAD)って何?

 生活に支障が出るほどに、人前で極度に恐怖・不安を感じてしまう“こころの不調”は、もしかしたら社交不安症(SAD)かもしれません。

 対人恐怖症と呼ばれていた症状とほぼ同様です。
 自分でも怖がりすぎている、その症状により、日常生活、社会生活に大きな支障が出ている状態です。
 回避してしまう、または避けてしまいたいほどに強い苦痛を伴う状態です。

 例えばこんな話があります。
 『息子は人前に出て話すとき、極度に上がってしまい、字を書くときも震えてしまいます。本人の性格かと思っていましたが、最近、社交不安症(SAD)という病名があると聞きました。』

 「人前で話すとき、極度に上がってしまう、ひどく動悸がする」「人前で字を書くとき、手が震えてしまう」など、日常生活が送れなくなるほど人前で強い恐怖や不安を感じてしまう“こころの不調”は、気持ちの持ち方や自身の性格ではなく、社交不安症(SAD)※の可能性があるといえます。社交不安症(SAD)を理解する
 本人はその辛さを周囲に理解されず、自分の性格の問題だと思ってしまい、病院を受診することをためらってしまいがちです。
 しかし、社交不安症(SAD)は、適切に治療をすれば改善します。脳の神経伝達物質のバランスが乱れていることが一因として考えられるため、お薬や精神療法を組み合わせながら治療を行っていきます。
 社交不安症(SAD)の治療において、家族やパートナーのサポートは患者さんの大きな支えとなります。社交不安(SAD)への正しい理解を深めていきましょう。

※SAD:Social Anxiety Disorder社会不安障害、社交恐怖とも呼ばれることがあります。

 次回のコラムでは、実際のSADの症状について詳しく解説していきます。
 当てはまる症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

出典:ご家族・パートナーのためのサポートガイド 大切な人が社交不安症(SAD)になったら…
監修:北海道大学 名誉教授 小山 司 先生
持田製薬株式会社 田辺三菱製薬株式会社 吉富製薬株式会社
LEX-482B-2016年8月作成(審)15Ⅺ033

2016.11.27 うつの治療の過程
うつ治療の過程は人により様々です。焦らずに取り組むことが大切です。

 うつ病の治療は、医師による診断から治療を開始する「急性期」、治療を初めて症状がほぼ無くなる「継続期」へ進み、やがて安定した日常の状態が保たれる「維持期」へ移行していきます。

うつの治療の過程

 ですが、うつ治療の経過は人により様々で、よくなった状態が続いても、自己判断で服薬をやめたりすると病状が悪化したり、うつ症状が再発・長引いたりすることもあるので、焦らずに取り組むことが大切です。

2016.10.8 魚を食べるほどうつ病予防に効果的!は本当か!?

今回のコラムはうつ病と食事、とりわけ魚を食べることに関して記載します。

魚を食べるほどうつ病予防に効果的!は本当か!?

 魚類の摂取やn-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)は、うつ病予防に効果的であるといわれていますが、賛否両論がありました。そこで、最新の報告を下記に紹介します。

 イタリア・Ospedaliero-Universitaria Policlinico-Vittorio EmanueleのGiuseppe Grosso氏らは、食事による魚類やn-3PUFAの摂取とうつ病との関連を調査した観察研究の結果からシステマティックレビュー、メタ解析を行った。Journal of affective disorders誌オンライン版2016年8月16日号の報告。主な結果は以下のとおり。

・31件の研究より、25万5,076人、うつ病2万人以上が抽出された。
・魚類の摂取とうつ病との関連を調査した21件のデータセットの解析では、中程度の異質性が認められたが、線形の用量反応と有意なリスク低減を示した(RR:0.78、95%CI:0.69~0.89)。
・プールされたうつ病のリスク推定値は、総n-3PUFAと魚類由来n-3PUFA(EPA、DHA)の両端カテゴリにおける最低摂取と比較して、最高摂取においてリスク低下をもたらした(それぞれ、RR:0.78、95%CI:0.67~0.92、RR:0.82、95%CI:0.73~0.92)。
・用量反応解析では、ピークJ字型の関係はn-3PUFAを1.8g/日摂取によりリスクが減少することが明らかとなった(RR:0.30、95%CI:0.09~0.98)。
・本解析では、食事によるn-3PUFA摂取量は、うつ病リスク低下と関連することが示唆された。

 結論として食事から摂取するn-3PUFA(EPAやDHA)はうつ病予防に効果的と述べられています。青魚を多く食べることで健康的な生活が送られるといいですね。

魚を食べるほどうつ病予防に効果的!は本当か!?

原著論文はこちら
Grosso G, et al. J Affect Disord. 2016 Aug 16;205:269-281. [Epub ahead of print]

2016.10.1 成人期ADHDと併存疾患

 今回のコラムでは成人期ADHDと併存疾患について紹介します。前回のコラムにて、『ADHDの方にとって大切なことは、症状による二次的な問題(極端に自尊心が低下して自暴自棄になる、精神的につらい状態になりうつ病、不安障害等を併発する)を防ぐこと』と紹介しました。しかし、実際には成人期ADHDではうつ病や不安障害など、他の疾患を併発しているケースが多いと言われています。
 世界保健機関(WHO)が行った、北米、南米、欧州、中東を含む多国籍疫学調査(n=11,422)によると、成人期ADHDの24.8%が気分障害を、38.1%が不安障害を、11.1%が物質使用障害を有していたと報告されています。逆に、気分障害の11.1%、不安障害の9.9%がAD HDを併存していたと報告しております。つまり、気分障害や不安障害で治療中の患者さんにおいても、約1割程度の割合で背景にADHDを抱える方がいるかもしれないと言えるのです。

成人期ADHDと併存疾患

 この様に成人のADHDには併存疾患が多いと言われています。背景にADHDを抱える場合には、不安うつの治療だけでなくADHDに対する適切なアプローチも必要となります。現在、気分障害や不安障害で治療中の方でもADHDに心当たりのある方は医師までご相談ください。当院では個々のケースに応じた最適な治療を心がけています。

【ADHDを考慮するポイント】

 ■現在ADHD症状に心当たりがある
 ■小児期(〜12歳)からADHD症状があった
 ■うつ病や不安障害が治りにくい(再発を繰り返す、薬が効きにくい、取り切れない症状がある、など)

成人期ADHDと併存疾患

2016.09.28 あの有名人もADHD?

トーマス・エジソン ADHDは1990年代後半から社会的に注目を集めるようになったので、新しい概念と思われがちですが、実はかなり以前から存在していたと考えられています。ADHDを抱えながらも偉業を成し遂げた歴史上の人物は多数存在し、発明王のトーマス・エジソンもその1人と考えられています。
 エジソンは小さい頃から度を越した知りたがり屋で、授業中に「なぜ?」と言う質問を繰り返して教師を困らせたり、なぜものが燃えるのかを知りたくて家の納屋を全焼させたり、がちょうの卵を自分で孵化させたくて小屋で何時間も卵を抱えていたりしたそうです。こうしたエジソンの好奇心に母親だけは理解を示し、好奇心のおもむくままに探究をすることを全面的に応援しました。そしてエジソンは自分の興味のある研究に没頭し、発明家になったのです。発明家になってからも、1つの事柄が行き詰まると、すぐ次の事柄にチャレンジしていたといわれています。ADHDの特性とも言える、旺盛な好奇心、豊かな発想力、ずば抜けた行動力があってこそ、生涯で1,300もの発明を成し遂げられたのではないでしょうか。
 エジソンの他にも、例えば織田信長、坂本龍馬、モーツアルト、アインシュタインなどは、ADHDだったのではないかといわれています。最近では、人気バンドSEKAI NO OWARIのボーカルFukaseこと深瀬慧さんや、オリンピック金メダルの最多記録をもつ水泳のマイケル・フェルプス選手が、ご自身でADHDであることを公表しています。

ADHDの方にとって大切なことは、症状による二次的な問題(極端に自尊心が低下して自暴自棄になる、精神的につらい状態になりうつ病、不安障害等を併発する)を防ぐことです。適切な治療と、ADHDの正しい理解で生活の質は改善できます。心当たりのある方は医師までご相談ください。

〈ADHD症状と活かせる強み〉

ADHD症状と活かせる強み 1.注意散漫→色々なことに興味を向けられる
 2.多動性→行動力がある
 3.衝動性→チャレンジ精神が旺盛

2016.09.15 成人期ADHD(注意欠如多動性障害)
成人期ADHD(注意欠如多動性障害) 〜それは個人の努力不足なのでしょうか?ADHDを知ることで得られるもの〜

 今回のコラムでは「成人期ADHD」について紹介します。成人期ADHDとはどのようなものなのでしょうか?

【ADHDとは】
  ・一生懸命やっているつもりなのにいつもミスをしてしまう
  ・片付けが苦手で部屋や鞄の中身が常に散らかっている
  ・気を付けているのだが忘れ物が多い
  ・ささいな事でイライラしてしまう
 これらの症状が子供時代から続く方は、治療により生活状況が改善する可能性があります。 成人期ADHDの主な症状は「不注意」「多動性」「衝動性」の3つで構成され、それぞれの症状のバランスは人によって異なります。ADHDは子どもで注目されている疾患の一つですが、特に成人では不注意症状が目立つことが多く、この不注意症状により仕事や家事で支障が出ることがあります。
 不注意症状とは、うっかりミスが多い、作業中に他の指示が入ると直前の物事を忘れてしまう、優先順位が付けられない、複数の仕事を同時に処理することが苦手、忘れ物やなくし物が多い、などなど。実際にこのような苦手さがある人の中にはADHDが原因である場合があります。また、多動や衝動性が強い場合には、荒っぽい運転による交通事故や衝動的な買い物によるカード破産など、生活に大きな影響を及ぼす事態になりかねません。
 ADHDの診断がつく場合には、内服での治療も可能です。効果には個人差がありますが、現在困っていることの一部でも取り除くことができるかもしれません。

【有病率】
 成人期ADHDの有病率はWHO(世界保健機関)が行なった調査で3.4%、国内の調査では少なく見積もって1.65%と報告されています。決して少なくない有病率であり、まだまだ治療が行き届いていないことから最近では新聞やテレビなどで取り上げられることも増えてきました。

 ADHDの方は得意不得意がはっきりとしている為、まずはご自身の特性を理解することが重要です。中には、特性をうまく活かすことで優れた功績を残している方もいます。次回のコラムではADHD特性を活かして成功を収めた著名人を紹介します。

ADHDの正しい理解のために

 このコンテンツでは、日常生活の場面ごとにおける、大人のADHDの症状のあらわれ方の例を動画でご紹介します。

2015.12.25 EMDR

EMDR ~過去のトラウマ・恐怖の記憶を処理する心理療法~
EMDR  EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法)とは、イギリス、アメリカ、フランス、オーストラリアなど多くの国が発表するPTSDの治療ガイドラインに「実証された最も効果がある心理療法」の1つとして載せられている療法です。

 EMDRはFrancine Shapiroによって開発されました。そのきっかけとなったのは、ある日、公園を散歩していて彼女が自分の気分がすっと楽になる瞬間を経験したことです。そして今何をしていたかを振り返ると、自分の目が左右に素早く動いていたことに気づきました。その後、試しに嫌なことを考えては目を動かすということを繰り返した所、確かに気分が楽になっていったのです。

 そのメカニズムはまだ解明されていないのですが、仮説として、眼球運動を行うことで人間の情報処理システムを賦活するような生理的メカニズムが作動させるとも言われています。

 EMDRは過去の否定的な経験を処理するのですが、これまで症例報告されている治療成功例には、PTSDだけでなく、うつ、人格障害、解離性障害、統合失調症、恐怖症、強迫性障害、パニック障害などの不安障害なども含まれています。EMDRでは、人生において普通に起こり得る悲しみ・不安・恥ずかしさ・落胆などの記憶とPTSDを発症してしまうようなトラウマ記憶の両方を、その後の人生に対してネガティブな影響を及ぼしうるターゲット記憶として捉えます。そして、これらのターゲット記憶を眼球運動などの両側性の刺激を用いて処理し、日常生活への適応を目指します。また、EMDRでは全ての過程を言語化しなくてもいいことが大きな特徴であり、クライエントがイメージを持てていれば、その細部を語る必要がなく、比較的ストレスの少ない治療となります。

2015.5.26 マインドフルネスがうつ病の再発を防ぐ!

マインドフルネスがうつ病の再発を防ぐ!
~Lancetに掲載されたランダム比較研究(RCT)でも実証~
マインドフルネスがうつ病の再発を防ぐ! ●マインドフルネスに関する実証的研究
 以前のコラムにて、今注目されている心理療法としてマインドフルネスを紹介しました。こうした心理療法は研究者によって様々な研究が行われ、実証的な裏付けをとれたものが患者さんへの治療として推進されることとなります。

 今回、紹介するのはLancetという医学雑誌でマインドフルネスの治療効果が認められたことです。Lancetは世界で最もよく知られ、最も評価の高い医学雑誌の一つです。

 Lancetに掲載されたマインドフルネスに関する研究ですが、今回はうつ病の再発予防に関するものでした。この研究ではマインドフルネスによる治療を受けた人と抗うつ薬維持療法を受けた人を無作為に割り付け、検討しました。その結果、両療法とも、再発・再燃、残存性のうつ症状およびQOL(Quality of Life)などで良好な成果を保つことが認められたとのことです。また両群の間で差は見られませんでしたが、患者さんの中には、薬物療法に代わる治療法を求める人もおり、こうした治療法の開発や検討・研究は社会においてとても重要な意義を持っていると言えるでしょう。

 当院においても精神科ショートケアの形式で「マインドフルネス」を行っており、治療を受けた患者さんから様々な効果に関する意見をいただいております。また個人療法でもマインドフルネスによる治療を行っております。以前のコラムでも載せましたが、うつ病の再発を防ぐスキルを身につけたい、頭の中で不安や悩みを繰り返し考えてしまい、行動することが難しい、慢性的な痛みや病気に苦しんでいる、集中力を高め、物事を色々な面から捉えられるようになりたい、ストレス耐性を向上させたい、などの悩みや希望を持っている方にオススメできる心理療法です。

●リンク
・Effectiveness and cost-effectiveness of mindfulness-based cognitive therapy compared with maintenance antidepressant treatment in the prevention of depressive relapse or recurrence (PREVENT): a randomised controlled trial

2015.5.7 うつ病リワーク研究会

うつ病リワーク研究会 ~鉄不足で引き起こされる様々な影響~
うつ病リワーク研究会  報告が遅くなりましたが、4/25-26に東京の虎ノ門にて、第8回うつ病リワーク研究会年次研究会が開催されました。うつ病リワーク研究会は、うつ病などの精神疾患で休職中の方を対象とした職場復帰のためのリハビリテーションプログラムの研究・普及を行っている団体です。当院は静岡県内で現在(2015年5月)唯一正会員として登録されています。

 今回の研究会では当院より、ショートケアの実践報告や光トポグラフィーを活用した方法など、2つの演題を発表いたしました。他県の様々な医療機関でリワーク支援を実施している方々と、非常に有意義な交流ができました。得られた情報は今後の当院の診療に活かして行きたく思います。

2015.4.13 フェリチンについて①

フェリチンについて① ~鉄不足で引き起こされる様々な影響~
 みなさんはこんなことが続いていませんか?
・朝早く起きられない、寝起きが悪い
・体を動かすことについていけない
・帰ってくるとゴロゴロしている
・集中力がない、イライラしやすい
・全身倦怠、肩こり、めまい、食欲不振
・眠気
・頭痛、頭重
・しびれ、足がだるい
・寒い、冷える
 上記の症状も含め、原因のはっきりしない色々な症状の総称を「不定愁訴」といいます。こうした症状の背景として今注目されているのが「鉄」です。鉄が不足することで様々な不定愁訴がもたらされていると考えられる訳です。体内の貯蔵鉄量をフェリチンといいますが、これは血液検査によって測定することが出来ます。一般的な貧血の診断にはヘモグロビンが指標とされますが、フェリチンは鉄欠乏性貧血の指標となります。その中で、はっきり鉄欠乏性貧血ではないがフェリチンが不足していると潜在性鉄欠乏症(軽度~重度)と診断されます。以下の図に示されていますが、この潜在性の段階で不定愁訴の症状が出現し始めると考えられます。
フェリチンについて  上述より、鉄分不足を解消することで、今まで抱えてきた種々の症状を改善出来る可能性があると考えられます。とはいえ、ただ単純に鉄を摂取することで解消出来るかと言うと難しい所があります。鉄には「非ヘム鉄」と「ヘム鉄」という種類があり、両者には大きな違いがあります。前者は植物性食品(ほうれん草、プルーンなど)に含まれる鉄で、吸収が悪く(5%以下)、副作用(胃の不快感、吐き気など)があります。後者は動物性食品(赤身の肉、レバーなど)に含まれる鉄で、吸収が良く(10~30%)、副作用がない特徴があります。

 当院では、こうした鉄分不足に有効な「ヘム鉄」を摂取できる医療用サプリの情報も提供しています。ただし、フェリチンの数値は他の疾患や、身体的コンディションの影響により変動することがあります。

●リンク
・あなたも!新型鉄不足 肌荒れ不眠、うつ状態

2015.4.3 軽度認知障害

軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment)スクリーニング検査
~血液検査で認知症の前段階を早期発見できる!!!~
 当院では現在、軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment)スクリーニング検査(自費)を行っております。

 世界でも長寿国として有名な日本では、現在認知症が問題となり、注目を集めています。厚生労働省研究班の調査による2012年時点の推計では、65歳以上の高齢者のうち認知症の人は15%で462万人と言われ、さらに認知症予備軍と言われる軽度認知障害(MCI)の人が13%で400万人いると言われています。軽度認知障害の約50%の人がアルツハイマー型認知症に至ることも示唆されており、この軽度認知障害のリスクを早い段階でとらえ、さらに生活習慣の改善、予防対策、治療、服薬をしていくことで認知症を防ぎ、発症を遅くすることがとても重要であると言えます。認知機能健常からアルツハイマー型認知症に至るまでには、原因物質とされるアミロイドβベプチド(Aβ)の蓄積が関係しており、時間軸としては以下のように示されます。
軽度認知障害  MCIスクリーニング検査では、血液中の3つのタンパク質の量とその数学的な解析により軽度認知障害のリスクを調べます。私たちの体には補体タンパク質(ComplementC3)、アポリポタンパク質(ApolipoptoteinA1)、トランスサレチン(Transthyretin; TTR)が存在しています。これらのタンパク質が、アルツハイマー型認知症で低下することが明らかにされており、これら3つのタンパク質を組み合わせることで、認知機能の低下リスクを評価できる訳です。

 MCIスクリーニング検査は、1回10cc程度の採血によって行いますので、非常に簡単です。それでいて軽度認知障害に対し、7割以上の高い感度があります。また、この検査で思わしくない結果が出た場合必ず認知症が発症しているというわけではありません。あくまで認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)のスクリーニングテストです。

 ちなみに、認知症のスクリーニングにはMMSE(Mini Mental State Examination)という検査もよく使われます。30点満点で、一般的には24点以上で健常とされます。認知障害を見つけたり、認知障害の重症度を測ったり、経過を追って患者の認知機能の変化を追跡したりするために使用します。

 軽度認知障害は正常加齢と認知症の境界領域であり、MMSEのみでの判別は困難です。米国ADNI研究では、健常ならびにMCIのMMSE得点の基準は24~30点であり、やはりMMSEのみで健常とMCIの判別が困難であることが示されています。こうした点を考慮すると、バイオマーカーを用いて軽度認知障害のリスクを素早く捉え、その予防を行っていくことは極めて重要であることが明らかです。

●遺伝子が分かる認知症リスク「APOE遺伝子検査」
 アポリポタンパク質のうちapoEタンパク質は、その遺伝子型がアルツハイマー型認知症の発症に関係しているといわれます。そのため、APOE遺伝子検査をMCI検査と組み合わせて用いることは、発症リスクを考える上で重要なリスク評価に有用です。

●こんな方におすすめの検査です
・50歳以上の方
 認知症発症者数は70歳代で急激に増えます。発症の約20年前よりアミロイドβペプチドの蓄積が始まるますので、自覚症状がない場合にも検査することをおすすめします。
・認知症への不安を抱いている方
 健康診断と同様、定期的な検査を受け、ご自身の状況を確認することをおすすめします。
・ご家族が異変に気付いた場合
 軽度認知障害の状態では、本人にも物忘れの自覚がありますが、以前と様子が違うとご家族が気付いたときに検査を受けることもおすすめします。

●リンク
・メディア掲載情報 新聞 物忘れがきになる方へ MCBI
・日経ヘルス4月号に「MCIスクリーニング検査」が掲載されました。 お知らせ MCBI
・血液検査ここまでわかる(日本経済新聞 NIKKEIプラス)

2015.2.23 双極性障害について②

双極性障害について② ~光トポグラフィーと心理教育の重要性~
 今回のコラムは、双極性障害についてお話しします。双極性障害にはⅠ型とⅡ型があります。近年、特に注目されているのがⅡ型であり、従来うつ病とされてきた方々の中にかなりの割合でⅡ型が含まれているのです。実際、当院へ来られる方々の中にも、うつ病かと思われたけれど、双極Ⅱ型であるパターンが多いです。この双極Ⅱ型障害は、「軽躁」が特徴であり、「気分が良すぎたり、ハイになったり、興奮したり、調子が上がりすぎたり、時には怒りっぽく不機嫌になったりして、他人から普段のその人とは違うと思われてしまう」という躁状態が、「仕事や家庭の人間関係に支障を来すほどではない」ものである場合、「軽躁状態」と診断されます。

 双極Ⅱ型障害に関しては、軽躁エピソードの確認が診断において重要となりますが、軽躁の期間は非常に短く、捉えることが非常に難しいのです(以前「双極性障害について①」で説明いたしましたが、双極性障害と診断された患者の内35%は適切に診断をされるまで10年以上かかったという報告もあります)。以下に示す図でも分かるかと思いますが、特に双極Ⅱ型では躁・軽躁病相がわずか1.3%しか占められていません。「躁・軽躁病相」を確認することは、例えるなら、大きいビルの中で小さな鍵を失くしてしまい、それを探すようなものといえるでしょう。そこで光トポグラフィーの出番となる訳です。以前のコラムで紹介した研究で示されたように85.5%を判別でき、はっきりした軽躁エピソードが確認できなくとも潜在的な軽躁の可能性を検討する情報としても有用である訳です。※もちろん通常の問診(例えば、バイポラリティを考慮など)や心理検査、ショートケアにおける行動観察などの状態把握は重要です。
双極性障害について  こうした双極性障害の治療では、認知機能の改善に焦点を当てていくことが重要とされます。投薬治療はもちろんですが、そこには双極性障害の心理教育が重要な介入となります。Martinez-Aran et al(2011)によれば、疾病が進行するほど本人の機能はだんだんと低下していきます。そこに対し、双極性障害の心理教育などを行うことで機能の維持や改善を行うことが出来るのです。
双極性障害について
 上に挙げた図で分かるように、心理教育などを行うことで機能低下を防ぎつつ、回復を図れる訳です。ここにはもちろん再発予防の観点も含まれています。心理教育を行うことで再発率が低下することは既に示されており(下図参照)、現在当院でも心理教育は行っておりますが、今後は双極性障害の心理教育として高い効果が報告されている、バルセロナプログラムを参考にした集団心理教育にも、力を入れていきたいと考えております。
双極性障害について

2015.2.19 光トポグラフィー検査②

2015/02/19 光トポグラフィー検査②
~大うつ病性障害、双極性障害、統合失調症の鑑別に 「光トポグラフィー」が有効!~
光トポグラフィー検査  心療内科や精神科には、「うつではないか?」と来院される方が多数おります。あおいクリニックにも多数の方がいらっしゃいますが、大うつ病性障害、双極性障害、統合失調症の鑑別に関し、光トポグラフィー検査は非常に有用であると感じています。その光トポグラフィーに関し、大規模な研究が行われ、その有用性が示されています。例えば、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)と東京大学医学部が2013年6月17日に発表したもので、群馬大学、東京大学、NCNP、慶応義塾大学、福島県立医科大学、鳥取大学、三重大学の7施設が参加した研究があります。

 内容を少し紹介しますと、「精神医療において精神疾患は、問診により得られる情報に基づいて診断や治療されることが主流であり、客観的な「バイオマーカー(生物学的指標)」に基づいて進められていないことが問題とされてきました」とあります。これは診断や治療において、いかに有用な客観的指標が求められ、ニーズが存在しているかを示していると言えるでしょう。そして研究では、光トポグラフィーにより得られる脳機能指標の有用性を検討し、うつ症状のある患者さんと健常者が課題を実施している間の脳機能を、光トポグラフィーを用いて測定しました。その結果、脳機能指標を用いた鑑別診断では、大うつ病性障害と臨床診断された患者さんのうち74.6%、双極性障害もしくは統合失調症と臨床診断された患者さんのうち85.5%を正確に鑑別できましたと述べられています。つまり、7~8割の確率で精神疾患の鑑別を行うことができる訳です。こうした結果からも、光トポグラフィーの有用性は十分に示されており、今後の利用の広がりが想像されます。上記研究については、詳しい情報が知りたい場合、下記のリンク先をご参照ください。

リンク先: リリース文書-東京大学医学部附属病院

2015.2.12 光トポグラフィー検査①

光トポグラフィー検査① ~うつ状態の「見える化!」~
 日本人は生涯のうち「うつ病」となる確率が6~7%であると言われています。ただ最近は、精神科にかぎらず「気分がめいる」「眠れない」といった訴えから医療機関を受診し、うつ病と診断されるケースも多くあります。

 本来、うつ病をはじめとした気分障害は診断が難しく、精神科でも確定的な診断を下すまでには時間がかかります。問診といった手段でのみ診断する場合、一過性の適応障害や、躁うつ病、統合失調症と誤診する場合もあります。そこで客観的なうつ病診断を補助する検査として登場したのが光トポグラフィー検査です。1995年、日立製作所が世界に先駆けて開発した“脳機能を可視化する”技術になります。

 心の病気にも誰もが分かりやすい客観的指標があれば、医師側も病気の評価がしやすいですし、患者側も本人や周囲の人が病気について納得しやすくなり、本人の治療への意欲の向上、周囲の理解促進といった治療のための環境を整えやすくなります。

 当初、光トポグラフィーは脳の表層を形成する大脳皮質機能をマッピングすることを目的に開発されました。人間の脳の中で「大脳皮質」という所は知的な活動を司っており、言語、行為、知覚、記憶、注意、判断といった高次脳機能、つまり”人間らしさ”を表現しています。光トポグラフィーは大脳皮質の機能局在を可視化、ここでは前頭連合野の機能の活動具合を見ている訳です。
光トポグラフィー検査
 また光トポグラフィーで使われている近赤外線は、銀行ATMなどで手のひらや指の静脈パターンを読み取る生体認証にも使われている安全な光ですが、皮膚や骨を通り抜けて血液中のヘモグロビンに吸収される特徴があり、これを利用している訳です。

 一般的な問診との一致率は現在7~8割程とされていますが、今後の臨床データの蓄積により、さらに精度が高まることが期待されています。ちなみに、健常者、うつ病、躁うつ病、統合失調症では次のような典型パターンを示すと考えられています。
光トポグラフィー検査
 脳の活動を測定する検査としてfMRI(機能的磁気共鳴画像法)などもありますが、光トポグラフィーは、fMRIと異なり、大きな検査装置の中に入る必要もなく、心身への負担も少ない特徴があります。脳科学や認知科学、心理学、教育学などの研究分野ではその有効性が認められており、さまざまに活用されています。2009年には国の先進医療に認定されたこともあり、今後さらに光トポグラフィー検査は広まっていくでしょう。
光トポグラフィー検査

2015.1.30 「マインドフルネスについて」

マインドフルネスについて ●マインドフルネスとは?
 自分を観察する自分を育てるトレーニング方法として、古くから使われている瞑想法のエッセンスを取り入れたものです。専門的には「今、現在の瞬間の体験に対し、評価・判断をせず注意を払うことで現れる気づき」と定義されています。GoogleやIntelの社員研修でも取り入れられており、最近もTVにて実践が紹介されておりました。当院では、このマインドフルネスのエッセンスを用いたショートケアプログラムとして「瞑想法」「マインドフルネス」を実施しております。また、あおいカウンセリングオフィスでもこのマインドフルネスのエッセンスを用いた個人対象の心理療法を行っております。

●マインドフルネスの効用
 マインドフルネスを実践していくと、研究からは、うつ病再発率を下げる、慢性的な健康問題の改善を助ける、不安やうつ症状の改善につながることなどが示されております。特に、メンタルヘルス疾患による再発率は非常に高いことが独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査(平成25年6月24日)でも示されており、いかに再発を防ぐかという視点は極めて重要なものとなります。当院ではリワークに力を入れており、その点でも再休職を防ぐべく、このマインドフルネストレーニングを重要視しております。実際、当院でトレーニングを受けた方々からも、「心の柔軟性が得られた」、「自分の考えが全て悪いとは思わなくなった」、「物事を多面的に見ることができるようになった」、「前は不安なことを繰り返し考えていたが、不安な気持ちをその瞬間に留めることで不安に囚われなくなった」など多種多様な効果に関する感想を挙げていただいております。

●こんな方へオススメ
 ・うつ病の再発を防ぐスキルを身につけたい。
 ・頭の中で不安や悩みを繰り返し考えてしまい、行動することが難しい。
 ・慢性的な痛みや病気に苦しんでいる。
 ・集中力を高め、物事を色々な面から捉えられるようになりたい。
 ・ストレス耐性を向上させたい。

2015.1.15 「双極性障害について①」

 ・疲れやすい  ・集中できない
 ・眠れない   ・食欲がない
 ・憂うつである ・人に会いたくない
 ・以前まで楽しめていたことが楽しめなくなった
 など、このような症状でお悩みの方はうつ病が疑われることがありますがうつ病と間違えて診断をされることが多い病気の一つに双極性障害があります。

 双極性障害とは気分が低下して憂うつになる「うつ状態」と著しく気分が高揚する「躁状態」がみられる心の病です。双極性障害といっていも様々なタイプがありますが、うつ病とは異なる治療が必要となる病気ですので、適切な診断をすることが重要となります。

 しかし双極性障害は診断を間違えられることが多く、「双極性障害の患者の約70%が、初診時には他の疾患として診断されていた」という調査結果も報告されています。(下図参照)
双極性障害について  また、適正に診断されるまでに要する時間が長いことも特徴で、「双極性障害と診断された患者の内、35%の人は適切な診断を受けるのに10年以上かかった」という結果も報告されています。(下図参照)
双極性障害について  双極性障害は自身が高揚している状態、つまり躁状態の自覚が乏しい場合が多く、診察場面でも適正な診断が難しいことが言われています。そのため診断に対し、客観的な指標として、その有効性が最近注目されているのが当院でも導入している光トポグラフィー検査です。
 脳の血流量を測り、その量や変化のパターンによってうつ病・双極性障害・統合失調症などのいずれの可能性が高いかが示唆されます。(詳しくは【こちら】)。
 この検査によって双極性障害の早期の適切な診断、早期の治療開始につながるのではと思います。

2015.1.4 「精神科救急」

精神科救急 今日は、精神科救急の当番日でした。
 精神科救急医療体制というのがあり必要時に入院施設のある病院に出かけて診察をするのです。

 この日は「沈みゆく大国アメリカ」という本を読みました。アメリカの医療制度と日本の医療制度について書かれた本です。アメリカの現状を知ってしまうと日本の皆保険制度は世界に誇るべきと改めて思わせられた本でした。

2014.12.25 「クリスマス」

クリスマス  今日はショートケアで「X'masプログラム」内で、ピアノ演奏を行いました。曲は「主よ人の望みの喜びよ」「G線上のアリア」「ブラームスの連弾のためのワルツ作品39」「きよしこの夜」です。
 「主よ人の望みの喜びよ」はJ・S・バッハの作曲で、マイラ・ヘスによる編曲が有名です。その曲の連弾が出ているのですが、今回スタッフと弾きました。編曲をしているのは、小林秀雄です。編曲も素晴らしいのですが、彼の解説がまたなかなか良いので引用させて頂きます。
 「聴けば聴くほど、ただ一度の人生でこのような曲に出会い、このような音楽を知りえた歓びと感動に、胸が熱くなってくる」(引用:全音楽譜出版社「連弾ピース」より)

2014.12.20 「国際うつ病会議」

国際うつ病会議 「国際うつ病会議(IFMAD)」という会議がウイーンであり、参加しました。
 うつ病、特に治療抵抗性うつ病(TRD)や、不安障害合併例に関して盛んな議論がなされておりました。日本からも私も含めて4人が参加しました。
 バルセロナの先生にも双極性障害の心理教育に関してお話を直接伺うことができ、とても実りある会議でした。また何かしらの形で生かしていきたいと思います。

2014.12.5 「森田療法について」

森田療法について ずいぶんと寒くなってきましたね。睡眠がわるくなったりする人もいるので注意が必要です。うつ病は、軽症から重症までさまざまな患者さんが当院には来院されます。

 今日は森田療法について紹介したいと思います。森田療法は日本独自に始まった精神療法で、当初は神経症に対する特殊精神療法の位置づけでしたが、森田療法的なアプローチはさまざまにアレンジされ、ネオモリタセラピーとして幅広い疾患に適用されております。実施される形式も、外来においては個人療法として行う場合もあれば、集団療法として行う場合もあれば様々です。

 当院では個人療法、集団療法として行ってます。適用される疾患ですが一つには神経症に対してです。例えば
  ①:人前にでると緊張して、自分でも怖がりすぎていると分かってはいるものの、ドキドキしたり、頭が真っ白になってしまい、ついついそういった緊張場面をさけてしまう
  ②:強迫観念から、不潔恐怖、確認癖がつよくて生活するのが大変だ
 といった状態にたいして行います。現在良く使われる診断の名前でいうと、パニック障害や、社交不安障害(SAD)、強迫性障害(OCD)などです。そのほかの疾患に対しても森田療法的アプローチは行われます。

 先日リワーク関連の講演で、森田療法に関していろいろと質問を受け専門家の間でも、ずいぶんと注目されているなと思いました。

 ご興味のある方は診察の時などにお気軽にお問いあわせください。

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